歯の妖精とチョコレート
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この季節になるといつも思い出すことがあります。みなさんは子供の頃、歯が抜けたときどのようにしていましたか? わたくしが幼少のころ、我が家では歯が抜けると枕の下に歯を置いて寝ていました。そして、朝起きると、なんと、妖精さんが歯を持ち去り、かわりにプレゼントを置いていってくれているのです!
お菓子が大好きだったわたしは、歯が抜けると毎回手紙を書きました。「ようせいさんへ おいしくておっきなチョコレートがほしいです」。そしてこの手紙といっしょに歯を枕の下に置くのです。妖精さんは日本語が読めるらしく、ちゃんとおいしくて、おっきなチョコレートを置いていってくれるのです。
すきなものはチョコレート、きらいなものは歯磨きと歯科という典型的な幼児のわたしは案の定、虫歯をたくさん作り、歯科に通わされていました。いまほど予防的な歯の手入れの重要性が認識されていなかったという時代背景もあります。
そして何本目かの歯が抜けた日の晩、同じように手紙を書いて床につきました。チョコレートを夢見ながら...
朝起きると、枕の下にはプレゼントと、いつもはない手紙が入っていました。手紙を開けると...そこにはこう書いてありました。
けんちゃんへ
いつもステキな歯をありがとう。今回もおいしいチョコレートがほしいんだね。
けんちゃんがチョコレートを好きなのは、妖精もよく知っていますよ。
でも、今回は、けんちゃんにチョコレートをあげることはできません。ごめんね。
妖精は、健康な歯がすきなんだ。虫歯になった歯はきらいです。
だから、今回は、チョコレートじゃなくて歯にいい食べ物をプレゼントします。
けんちゃんがいっしょうけんめいはみがきをしたら、またチョコレートをあげるね。妖精より
プレゼントの包みを開けると、そこには...
それ以来、この季節にチョコレート売り場をみるたびに、スルメが食べたくなるのです。
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